東京高等裁判所 昭和25年(ナ)1号 判決
原告 藤城顕義
被告 千葉県選挙管理委員会
一、主 文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、事 実
原告は「被告が昭和二十四年十二月二十七日原告に対して與えた裁決を取り消す。昭和二十四年九月九日の当選無効の決定を取り消し、異議申立を却下する」との判決を求め、請求の原因として、原告は昭和二十四年八月十八日行われた千葉縣横芝町農地委員会の委員の選挙において当選したものであるところ、安達武雄なるものが原告の当選を無効であるとして横芝町選挙管理委員会に異議を申立て、同委員会は同年九月九日異議を理由ありと認め、原告の当選を無効とする旨決定して、そこで原告は被告にたいし訴願をしたところ同年十二月二十七日被告は昭和二十四年九月九日の当選無効の決定は取消すべき限りでないとの裁決を與えた。しかし原告は昭和二十一年二月旧横芝飛行場開拓地三反歩の割当をうけ、そのうち一反二畝三歩につき耕作の業務を営んでいるものであるから、農地調整法第十五條の三第一項同法施行令第二十一條所定の被選挙権を有する、從つて被選挙権がないとの理由による裁決は不当であると述べ、証拠として甲第一号証を提出した。
被告は原告の請求を棄却する旨の判決を求め、原告が一反歩以上の農地につき耕作の業務を営むものであることは否認すると述べ、証拠として甲第一号証を提出した。被告は原告の請求を棄却する旨の判決を求め、原告が一反歩以上の農地につき耕作の業務を営むものであることは否認すると述べ、甲第一号証の原本の存在並にその成立を認めた。
三、理 由
原告が一反歩以上の農地につき耕作の業務を営むものであることを認めるにたりる証拠がないから、原告は農地委員会の委員の被選挙権を有しないものと認めるのほかない。從つてさきに被告が與えた裁決は不当とは認められず本件訴は理由がないと認めなければならない。
よつて訴訟費用につき民事訴訟法第八十九條を適用し、主文のとおり判決する。
(裁判官 藤江忠二郎 猪俣幸一 鈴木重光)